治療家としての20年間で学んだこと⑪

この業界に入り勉強を始めて、20年以上が経過いたしました。様々な知識・技術の習得と臨床経験を積んできた結果、現在の治療スタイルとなっています。特に勉強だけではなく臨床経験(治療経験)を多く積まなければ、レベルアップはできません。「患者さんが一番の先生である」という有名な言葉がありますが、まさに患者さんに教わること、勉強になることは今でも本当に多いと思います。決して自分一人の努力で治療家としてやってこれたわけではなく、患者さん、職場の上司、セミナーなどで教えてくれた先生達、自分を支えてくれた家族など皆さんのおかげでここまで来られたと思います。本当に皆様には心から感謝しております。そして20年の経験から、現在は大まかに以下のスタイルで治療に当たっています。

 

○急性症状(骨折・脱臼・捻挫・打撲・筋損傷)は柔道整復の知識と技術を中心に対応いたします。それらの外傷に対する鑑別診断は、当院の得意とする所です。柔道整復術と補助的にキネシオテーピング療法を使って治療いたします。急性症状における柔道整復の施術は各種保険の対象となります。

 

○その他の慢性症状(原因不明の症状、ずっと治らない症状、治っても何度も再発する症状、他の医療機関等では治らない症状など)は、通常キネシオ的な見立てから行い、「キネシオ療法」による治療を行うことにしています(「キネシオテーピング療法」「筋・筋膜スラッキング療法」「クライオセラピー」を中心に治療いたします)。ただし、症状により脊柱(背骨)や骨盤も矯正した方が良い場合があります。特に上部頚椎(頭蓋骨・第1頚椎・第2頚椎)と仙腸関節・腰仙関節(骨盤の各関節)は影響が大きいため、カイロプラクティックテクニックによる治療を行う場合があります(上記の関節部位は矯正した方が早い場合もあります)。

 

○患者の症状や状態、特に背骨の前後の弯曲が大きく崩れていて(不正列を起こしていて)整復が必要な場合、あるいは患者自身が希望される場合は最初からマッケンジー法を行う場合もあります。特に整復が必要と思われる「椎間板ヘルニア」や「ストレートネック」などは、マッケンジー法をお勧めする場合があります。また生活習慣による影響が大きい方の場合、いくら治療して良い状態に戻しても維持が困難な場合があります。その場合は「マッケンジー法」に切り替え、再評価・施術を行う場合があります(「マッケンジー法」を行う場合は原則他の治療とは併用ができませんので、「マッケンジー法」のみに切り替えます)。

~12回連載・⑫に続く~